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Mar 12, 2005

山井教雄「まんが パレスチナ問題」

Palestine
講談社現代新書。
まんがとあるが、挿絵がある程度でいわゆるコマ割りのマンガとは異なる。
ユダヤ教の起源から始まり、アラファトの死去までの内容。
改めてその複雑な歴史を整理することができました。

ユダヤ教のエホバ、キリスト教の神、イスラム教のアラーもみんな同一の神様。
でもエジプトやギリシアと違って唯一神なので、ほかは認めない。
もともとは同じ神様なのに。
やっぱり宗教や民族ってあるようでないもの、人間が勝手に都合よく作り出したものだということがよく分かりました。

それともう一つ。
現在のパレスチナ問題は、3000年も前から続くユダヤの悲劇(例えば十戒やバビロン捕囚のような)が原因でなく、現代100年に作られた問題です。
私個人の意見では、宗教問題でも報復合戦でもありません。
アメリカその他の大国によって、その場その場で行き当たりばったりの利害重視の外交によって作られた悲劇です。
その根底の問題は、宗教や民族の自由でなく貧困だと思うのです。
昨今の自爆テロは、イスラエルに対するパレスチナの憎しみだけが原因でなく、残された家族の生活費を貰うために行っているのです。
湾岸戦争では戦費、イラク戦争では軍隊を派遣した日本。
本当にすべきことは何なのかをよく考えるべきです。
この本では入門書として長い歴史を平坦にまとめた形となっていますが、この辺りをもっと深く掘り下げた本を読んでみたいと思います。

いつも「複雑な」と言われる「パレスチナ問題」。宗教や民族という日本人にはなじみにくい概念が問題のベースになっているし、昨日までの味方同士が突然戦争を始めたりして、たしかに、わかりにくいのはたしかです。だからこそ、本書では少しでもわかりやすいように、ユダヤの少年ニッシムとパレスチナの少年アリ、そしてエルサレムのねこ、2人と1匹が、旧約聖書の時代から21世紀のいままでの「パレスチナ問題」をガイドします。日本から少し距離のある国のお話ですが、すべてがつながっている現代では、けっして遠い世界のお話ではないのです。

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