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Aug 12, 2005

城山三郎「わしの眼は十年先が見える」

Ohhara

副題「大原孫三郎の生涯」。
クラボウやクラレを育て、明治から戦前の昭和にかけて活躍した財界人、大原孫三郎の雄編。

今では当たり前のように言われる企業メセナ(文化・芸術支援活動)や企業貢献ですが、大地主だった孫三郎は、地方の一紡績会社を全国的な大企業に成長させるとともに、当時としては誰も考えないような社会から得た利益を社会に還元する考えを持ち、それを実行した人です。

その功績は多数、多分野に渡ります。
治安維持法の時代にマルクス主義などの社会思想を研究する大原社会問題研究所(法政大学大原社会問題研究所)を設立。
岡山特産の桃やぶどうの改良研究、農芸科学研究のため大原農業研究所(岡山大学農業生物研究所)発足。
工場従業員の為に東洋一の病院を目指して作ったのが倉敷中央病院。
一番有名なのが、日本初の西洋美術館、大原美術館。
その殆どが大原家の田畑私財を投げ打ってのものだそうです。

物語の前半は、石井十次との友情、岡山孤児院の支援が中心で、後半はその後の活躍、長男総一郎の話と続きます。
でも、私としては児島虎次郎のパトロンとしての話をもっと読みたかったかなあ。

リットン調査団が美術館を訪れ、世界的な名画を焼いてはならぬと、倉敷は戦火を逃れることができたとか。
また紡績女子工員を多く預かる身として、風紀の乱れる軍隊の配置を孫三郎が反対したおかげだとも。
色々な意味で、今の倉敷は大原孫三郎の功績で、地方の一都市以上に発展を続けているのだと実感しました。
改めて近所の大原孫三郎関係の名所、史跡などを自転車で回ってみたいと思うようになりました。

ということで最後に、倉敷百景を紹介。

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