書籍・雑誌

Jan 20, 2018

湊かなえ「望郷」

Boukyou

原作者の出身地、因島を舞台とした短編集。
紹介文に造船という言葉を見つけ、本屋で手に取る。

みかんの花。
20年前、自分を置いて島を出て行った姉に恨みを抱き続けている女性。

海の星。
子供のとき父親が突然失踪し、毎晩、母親と探し歩いていた主人公と、彼に釣りを教えてくれたおっさんの話。

夢の国。
故郷に縛られ生活をしていた女性が幼いころから憧れるドリームランドにやっと来て過去を回想する。

雲の糸。
歌手になり有名になって島に戻って来た彼だが、島にはかつて刑務所に入っていた母親が暮らしていた。

石の十字架。
台風で浸水する家に娘と閉じ込められた母が石鹸の十字架を持って昔話を始める。

光の航路。
いじめ問題に悩む教師。自分の父親に対するわだかまり、進水式の思い出。人は船、人生は航路。

映画化、ドラマ化された話もあるようで、
こちらも見て見たいと思います。

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伊坂幸太郎「首折り男のための協奏曲」

Kubioriotoko

短編集。本来はバラバラの話。
首折り男、黒沢が出てくるが、必ずしも出てこない。
でも、違和感なく共通し、統一感あり。
広告にあるような、伊坂マジックほどではなく。
水兵リーベ僕の船の話が好き。
最後の合コンの話の中で。
人は自分の譜面(人生)を演奏し、
隣の人もうまく演奏できればいいな、と祈る。
そんな関係性の短編たちでした。


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Jul 31, 2017

住野よる「君の膵臓を食べたい」



読み易くて、新幹線で一気読み。
セカチューっぽい話だが、
実は最後が病気でないところがビックリ。
本のタイトルが遺言であり、
最後のメールであり、
シンクロするところが話の山場だろう。
でも、このキモいタイトルが
ラブレターになるのだからすごい。
故に、もう少し既読であることを
わかり易くして欲しかった。
僕の実名がなかなか明かされないのだが、
あんまり裏がなくて残念。
映画では、僕が大人になっているらしく、
続きも興味あり。

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Jul 17, 2017

和田竜「村上海賊の娘」

Murakamikaizoku

大坂本願寺、木津川口の戦いを描いた長編。
村上水軍、村上武吉の娘が主役だが、
その娘以外が史実に基づいている所に面白さがある。

しまなみを訪れることは多いのだが、
長編を読み終えて、改めて訪問。

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大山祇神社。
大三島、村上海賊の信仰の集める。
三島神社や大山祇神社の総本社。

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村上水軍博物館。
大島、能島村上家の品々を展示。

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村上海賊の娘の石碑も。

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階上のテラスからは、能島海城跡が見えます。

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Jun 10, 2017

湊かなえ「リバース」



この小説は、
与えられた最後の一行から始め、
リバースして書いたそうです。
それだけに、最後の最後に驚きます。
シンプルで良くできた話だとおもったのですが、
映像化されたドラマを見ると、
なんだか無理やり連続ドラマに延ばした感あり、
原作にはない登場人物や話があって複雑です。
ドラマの最終回は、原作の続きだそうで、
それはそれで気になります。

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Apr 28, 2017

山下柚実「広島大学は世界トップ100に入れるのか」

Hiroshimau

大学トップ100に入るために指標を導入するそうだ。
世界で100以内の大学を数値化したものが、
独自のモニタリング指標A-KPI。

目標達成型重要業績指標(広島大学)

世界top100の大学として備えているべき数値を10年後の目標値に設定し、それをポイント化する、という概念を考案するに至りました。

へぇー、最近の大学も変わったねぇ、と思って斜め読みしていた。

先日の日経新聞を読んでいると、どうやら本気らしい。

世界大学ランキングでの順位向上を目指し、広島大が導入した教員の個人業績指標が注目を集めている。トップ100校入りに必要な5つの要素ごとに、一人ひとりの目標達成度を数値で表して「見える化」した。日本の大学の国際順位が低迷する中、画期的な取り組みと評価する声がある一方、教員の戸惑いや反発は強く、現場に浸透するかどうかは見通せない。(2017/4/26付日本経済新聞 朝刊)

現状の平均は440ポイントだが、
各教員に、2023年度までに1000ポイントの達成を求めているらしい。
国際論文の提出数や留学生の受け入れなどでポイントが決まるが、
文系など、学部によっては対応が難しいだろうに。
先生も大変ですね。

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Jan 29, 2017

田村潤「キリンビール高知支店の奇跡」



絶対王者だったキリンビールが
スーパードライでアサヒに負け始めていた頃、
著者の高知支店での営業が始まる。
そこから、キリンの復活がなされるのですが、
実は、殿様商売の社内との戦いが主な話です。
必殺技がある訳ではなく、
数で稼ぐ地道な営業の繰り返し。
内勤女性の営業参加など、
参考にしたいアイデアもありました。

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Jan 21, 2017

原晋「フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉」



今年の箱根駅伝も青学が強かった。
原監督に興味が湧いて著作を読んでみました。

営業時代のノウハウを陸上に活かして
学生を指導している。
どちらかというと、ビジネス本でした。

当たり前のことばかり書かれていますが、
3連覇だと、全て説得力があります。

目標管理とキャッチコピー
というのはいいかもと思いました。

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Aug 02, 2016

門井慶喜「家康、江戸を建てる」



家康が江戸という町を作ったお話。
まるで時代劇の中のプロジェクトX。
最初は、治水の話。
大きな川の流れを変えて、湿地帯を人の住む土地に。
次は、造幣の話。
通貨を制するものは世を制す。
3番目は、上水の話。
町に住む人々のために清らかな水を江戸に引き込む。
その次は、江戸城の石垣の話。
大きな大きな石をどうやって積み上げるのか。
最後は、天守閣の話。
泰平の世に天守は必要か。何故白い壁なのか。
とても読みやすい文章でした。
この本を読んで、
東京の町を歩くのがとても楽しくなりました。

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Feb 01, 2016

河合敦「岩崎弥太郎と三菱四代」

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岩崎弥太郎は、
大河ドラマ龍馬伝で有名になった?
土佐出身の実業家。
海運業に従事し、三菱商会を設立。
反三菱派が作った共同運輸会社と
運賃争いを繰り広げる。

弥太郎の弟、二代目の弥之助は、
両社を合併して日本郵船を作る。
銀行、倉庫、地所、造船を興す。

弥太郎の息子、三代目の久弥、
弥之助の息子、四代目の小弥太は、
三菱をさらに巨大にしていく。

著者曰く、
豪傑な弥太郎でこそ、
混沌とした時代に海運王国を作ることができ、
温厚な弥之助でこそ、
藩閥政府と協調的な発展を遂げ、
大人的な久弥でこそ、
産業革命や大戦景気の波に乗って大発展し、
猛烈な小弥太でこそ、
大戦後の恐慌、戦争による厳しい時代を勝ち残れた。
歴代の社長の性格が面白く、
その順序が時代とマッチしていた。

国あっての三菱、とはいうが、
逆もいえるかもしれない。
今の時代でもそうだろう。

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